こんにちは!こどもの相談室TOMOのちえです😃
療育保育士として、難しい子育てを楽にしていく声かけの方法を教えています💡
気になる方はチェックしてみてください!
今回は「勉強をしない」「宿題をしない」と言っているお子さんに対してどうやって声をかけたらいいか考えていきます。
勉強しない理由
ペアレント・トレーニングは応用行動分析に基づいて「どうしてそうなるんだろう?」「どうやって対応したらいいかな?」を考えていきます。
人間の行動の機能は大きく4つあります。
より詳しく知りたい時はこちらのブログをご覧ください。
では、Aちゃんの様子を見ていきましょう。
学校参観に行った時のAちゃんの様子です。
クラスの中に2~3人はいるのではないでしょうか。
もしかするともっといるかもしれないですし、だらんとした姿を見せずに頑張っている子もいるかもしれません。
この時のAちゃんの行動の機能をABCに分けて考えていきます。
ここでは、
A先行刺激:先生が話す
B行動:メモを取らずに机に絵を書く
C結果:授業が進んでいく
こんなことや
A先行刺激:授業のチャイムが鳴る
B行動:机に突っ伏している
C結果:「教科書を出しなさい」と先生に怒られる
こんなこともあるかもしれません。
この短い状況の中にもたくさんの行動が隠れています。
日常の中ですので、それらの行動を全て分析し機能を確認することは難しいと思います。
また、親御さんなので、そこまでの専門家になる必要もないかと思います。
まずは、お子さんの困った行動が起きている場面でまずは3つ行動をABCに分けてみましょう!
今回は先ほどの例、2つと、さらに
A先行刺激:先生が話す
B行動:メモを取る
C結果:メモが追いつかず混乱する
こんな例も合わせて考えてみましょう。
行動の機能を分析する
行動①
A先行刺激(何があって):先生が話す
B行動(どうしたら):メモを取らずに机に絵を書く
C結果(どうなったか):授業が進んでいく
まず、行動の後に嫌なことはないので、メモを取らずに机に絵を描くという行動は継続されるでしょう。
また、もう一つの考え方で話を聞かないとわからなくなるという嫌なことがあるから、話を聞くという行動が増えるという考えもありますが、小学校の段階では、その理解は難しいと思います。
そのためここでは「メモを取らずに机に絵を描く」はこの先も続くと考えます。
このままでは、好ましくない行動が増えてしまいますね。
次に、行動の機能について考えます。
行動の機能は4つあります。
「獲得」「注目」「回避」「感覚」
この場面でそれぞれの行動を考えると
- 獲得:絵を描きたい
- 注目:描いた絵が完成したら「見てみて!」と周りにアピールしている、先生が近くに来た時だけ絵を描いている
- 回避:メモを取ることが難しい、その場に座ることが辛い
- 感覚:指に力強くかかる圧が楽しい
こんなふうに想像することができます。
今回のAちゃんの様子では、どれが一番近そうでしょうか??
きっとおそらく「回避」が一番強く、「感覚」または「獲得」が二番手に来そうなイメージです。
同じように2つ目の行動も考えていきましょう。
行動②
A先行刺激:授業のチャイムが鳴る
B行動:机に突っ伏している
C結果:「教科書を出しなさい」と先生に怒られる
チャイムがなって、何もしないと怒られる。
怒られることが嫌なことである場合、次回からきっと教科書は出すことでしょう。
人は嫌なことがあると、その行動は減っていきます。
逆に嬉しい行動があると、行動が増えるので、次回Aちゃんが教科書を出して待っていた時には、ぜひ先生に「教科書準備できているね!」と肯定的な言葉をかけて欲しいところです。と、話がそれました。笑
そして、今回の場面で行動の機能を考えていきましょう!
- 獲得:寝続けたい
- 注目:寝てたら先生が怒ってくれるかも!みんなが見てくれるかも!
- 回避:次の活動嫌だな〜
- 感覚:腕にかかる頭の重さが心地よい
行動①の流れもあるので、きっとおそらくAちゃんは「回避」の気持ちが一番強いのではないかな?と思います。
そして最後、考えていきましょう!
行動③
A先行刺激:先生が話す
B行動:メモを取る
C結果:メモが追いつかず混乱する
まず、先生が話したことをメモするという行動ですが、この行動の後に混乱しています。
行動の後に嫌なことが起こっているので、このメモを取るという行動は減っていくことでしょう。
そして、より一層の混乱を招くので、ここはメモを取るという行動が自然と出るように、遊びの中でメモを取ると良いことがある、メモを取ることで楽しく遊ぶことができたというような経験を積み重ねたいですね!
そして、行動の機能について考えていきます。
この場面で想像できそうな行動の機能は
- 獲得:理解したい、学びたい
- 注目:全部聞けているよ!やっている僕、私褒めて〜!
- 回避:難しいな〜もうやだな〜だから違うこと考えよう
- 感覚:指に力強くかかる圧が心地よい
この場面を切り取った時に、行動の機能を想像するとこんなことを考えることができそうです。
きっとおそらく「回避」したい気持ちが一番強いのかな?と想像します。
つまり今回の学校参観を通して・・・
Aちゃんにとって、今回の授業の内容は「回避」したい内容であった。
=難しい内容、楽しくない内容である
と仮説を立てることができます。
※本当に行動を分析しようと思うと、もっと細かく行動を分ける必要がありますが、ここでは親御さんがお子さんの行動を見ていただいた時に、どう理解したら良いかを目的としてまとめています。
ですので、若干表現が異なる場合があります。ご了承ください。
では、どうやって楽しく自分から学ぶことができるように促したら良いのでしょうか?
できたを増やす
人は「できた!」と自信が持てることに対しては行動が増えていきます。
ですので、さまざまな場面で「できた!」を増やしていきたいのです。
授業の内容がわからない時のできたの増やし方
行動①では「授業の内容がわからない」「授業の内容がつまらない」だから「話を聞く」という行動が減ると考えられます。
じゃあ、どうしたらいいのか?
- 話を聞きたくなるようにする!
- 「知ってるよ!」をアピールしたい状況を作る
こんなふうに子どもの気持ちを変更してあげることが学校学習への意欲を高めることだと思います。
そんな気持ちを引き出すためには「先に知る(予習)」ことがおすすめです。
A先行刺激(何があって):予習をする
B行動(どうしたら):授業で予習したことが出てくる
C結果(どうなったか):授業が理解できた!
今までわからなかった、何を言っているかわからなかったことの中に「あ!それ知ってる!」が出てくることは、子どもにとって嬉しいことであり、周りに教えたいことでもあります。
授業ごとに何を準備したらいいかわからない時のできたの増やし方
行動②では、そもそも授業内容がわからないから「授業に出たくない」という気持ちもあると思いますが、「何を用意したらいいかわからない」そんな気持ちもあるかもしれません。
そんな時にできたを増やす方法は
- 準備のハードルを下げる!
例えば、
- 各授業の教科書やノート、プリントを1つのクリアファイルにまとめてしまう
- 下敷きの裏に、各教科ごとに使うものを書き出す
などなど。
その子が難しいと思っているところに合わせて「見てわかるもの」を用意してあげるのがおすすめ💡
大人にとっての手帳のようなものですね!
メモを取ることがで難しい時のできたの増やし方
そもそもメモって難しいです。
聞きながら、書く。
枠の中に、綺麗になどが加えられるとさらにハードルは上がります。
そんな時は準備と同様!ハードルを下げてあげることで、授業でもメモをとりすくなるかもしれません。
例えば、
- 謎解きや脱出ゲーム、考えるながら攻略する遊び
- おつかい
忘れた時に見返すという癖をつけたいです。
そして、その練習は楽しければ楽しいほど、自然と子どもはやりたくなると思います。
ぜひお子さんの「困った」に合わせて「何をしたらいいか」のきっかけを見つけて欲しいと思います💡
まとめ
学校や保育園、幼稚園で子どもの「困った行動」をみると、どうしても「なんでできないんだろう」「どうしてちゃんとできないの!」となりがちです。
でも、子どもももしかしたら「困っている」かもしれません。
それをどう表現したらいいかわからずに「回避」する行動しか取れないのかもしれません。
できれば「わかりません!」「助けてください!」と言って欲しいところではありますが、そもそも「なんでそれをするのか(求められていること)」がわかっていないと、助けを求めるともできないかもしれません。
学校学習はなんのためにするのか、そんな意図をお子さんに伝えてあげることも大切かもしれませんね!
学校の授業は、将来の自分の「得意」を見つけてどんな「仕事」をしたいかのきっかけ作りだと思います。
「勉強しなさい!」だけではなく「その勉強にはこんな理由があるよ」ということを伝えることもとても大事です💡
参考までに13歳のハローワークのリンクを貼っておきます。
https://www.13hw.com/home/index.html
お子さんと将来を話すきっかけづくりになったら嬉しいです☺️
子どもの行動の理由や機能についてもっと知りたい!
このブログをきっかけに、そんなふうに思ってくださった方がいたらとても嬉しいです😃✨
「行動の理由」やその行動に合わせた「対応方法」
これらを学ぶことを 🔍ペアレント・トレーニング と言います。
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