こんにちは!こどもの相談室TOMOのちえです😀
療育保育士として、発達障害や特性を持っているお子さんを育てている、難しい子育てを楽にしていく声かけの方法をお伝えしています💡
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自閉スペクトラム症については以前まとめているので、そちらも合わせてください!
注意欠如多動症(ADHD)とは
注意欠如多動症(ADHD)は神経発達症(発達障害)の一つです。
神経発達症は、大人になってから困りごとが現れるのではなく幼少期から継続して特定のスキルの獲得や情報の獲得、保持、応用をすることに困難さを伴うということが診断の基準となります。
ADHDには3つの型があります。
- 不注意型
- 多動・衝動型
- 混合型
これらの型はありますが、程度は人によりさまざまです。
また、その時に与えられている環境によっても、この特性が強く出やすいのか、自分でコントロールができるのかにも大きく影響があります。
🔻どのような状況で特性が強くなりやすくなるかはこちらでまとめています
注意欠如多動症(ADHD)の診断基準
ADHDの診断
ADHDを持つ子どもの脳では、前頭葉や線条体と呼ばれる部位のドーパミンという物質の機能障害が想定され、遺伝的要因も関連していると考えられています。
ADHDの診断については、アメリカ精神医学会(APA)のDSM-5(「精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版」)に記述されており、下記などの条件が全て満たされたときにADHDと診断されます。
●ADHDの診断基準
- 「不注意(活動に集中できない・気が散りやすい・物をなくしやすい・順序だてて活動に取り組めないなど)」と「多動-衝動性(じっとしていられない・静かに遊べない・待つことが苦手で他人のじゃまをしてしまうなど)」が同程度の年齢の発達水準に比べてより頻繁に強く認められること
- 症状のいくつかが12歳以前より認められること
- 2つ以上の状況において(家庭、学校、職場、その他の活動中など)障害となっていること
- 発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること
- その症状が、統合失調症、または他の精神病性障害の経過中に起こるものではなく、他の精神疾患ではうまく説明されないこと
このようにADHDの診断は医師の診察で観察された行動上の特徴に基づいて行われ、それ単独で診断ができるような確立した医学的検査はありません。しかし、一部の神経疾患・身体疾患・虐待・不安定な子育て環境などが子どもにADHDそっくりの症状を引き起こす場合があり、小児科・小児神経科・児童精神科医師による医学的評価は非常に重要です。
注意欠如多動症かどうかの診断はDSM-5やICD-11などの世界的な診断基準や『注意欠 如・多動症‒ADHD‒診断・治療ガイドライン』に基づいて診断をされているようです。
e-ヘルスネットに掲載されている診断基準はDSM-5のものを掲載しているようです。
診断はDrが行います。
上記の基準の補完い、さまざまなご家庭での困りごとや園や学校など集団生活の中での困りごとを生んでいるかどうかなどたくさんのお話を聞いた上で診断につながっていきます。
今、お子さんの姿で悩んでいる方はぜひその困っているお子さんのご様子を動画に記録したり、先生からの情報を共有されているノートなどを持参の上、受診し相談することをお勧めいたします。
幼児期にみられる注意欠如多動症(ADHD)の症状
これらの姿がみられるから確実にADHDというわけではありません。
こんな姿として、みられることがあるなというご様子をまとめるので、参考になったらと思います。
不注意型
- いろんなことに興味がある
- 一緒に遊ぶことが大好き
- 好奇心が旺盛
困った子と言われるよりは、社交性の高い子とみられることが多いような印象です。
多動性
- じっとしていることが苦手
- 集団でお話を聞くことが苦手
- お部屋から飛び出してしまう
- とても活発である
多動性は、幼児期の年齢では周りに影響されることも多いにあります。
ですので、年齢なのか特性なのか、判断が難しいところでもあります。
衝動性
- 繋いでいる手を振り払う
- 突然飛び出す
- 順番が待てない
- おもちゃを取り上げる
- 周りの子を押す、叩くなど
幼児期に衝動性が強いお子さんは「困った子」として注目されることが多い印象です。
また、衝動性が強いお子さんは癇癪が激しかったり、売り言葉に買い言葉というように大人をイラつかせやすいかもしれません。
特に「乱暴な子」「話を聞いていない子」などと言うイメージを持たれやすく、行動が激しく目立つために注意されやすい対象であるとも言えます。
注意欠如多動症(ADHD)への治療や支援
ADHDを持つ子どもの治療は「1. 環境への介入」「2. 行動への介入」「3. 薬物療法」などを組み合わせて行うと効果が高いといわれています。
このように書かれています。
イメージがつきにくい方もいるかもしれないので、今回は幼児期の本人への支援とご家族への支援を分けてご紹介します。
本人支援
ADHDのお子さんに具体的に何か支援をするというよりは、幼少期はどんな時に特性をコントロールしにくくなるのかを知ることがメインです。
そして、自分の特性を知りどうやったら乗り越えられるのかを本人に知ってもらうことがとても大事です。
ADHDという発達障害は、運動機能の問題も併存しやすいと言われています。幼少期に「周りと比べて体が使えない」「走っても一番になれない」というような経験を積み重ねやすく、被害意識が強くなるとも言われています。
そのため、ADHDのお子さんで体の使い方に苦手さがみられている時には、体の使い方に関する適切な支援を取り入れることで、被害意識を防ぎ、二次障害の予防にもつながると考えられています。
家族支援
ADHDのお子さんは行動が目立ちます。そのため注意される数が増えてしまう傾向があります。そうすることで「どうせ僕なんて」「やってもどうせ怒られる」「怒られるなら、こっちも怒るぞ!」というような思考になりやすくなります。
その子どもの被害意識が高い思考を止めたり、子どもが被害意識を持ちにくいように行動修正の声かけをしていくことが必要になります。
その声の掛け方、関わり方を知るのがペアレント・トレーニングです。
ペアレント・トレーニングは知ってて損はない情報かなと思いますので、興味のある方はぜひ一度目を通してみてほしいと思います。
その他
- 環境調整
- 各機関との連携
幼児期はご家族が、大きくなった時は自分自身でできるようになる必要があるのがこの2つかと思います。
ADHDの特性は環境により特性の出方がかなり変わってきます。
落ち着きがないのであれば、どのような感覚情報を入れると落ち着きやすいのか、机や椅子を変えることで集中できる、ホワイトノイズをかけることで集中力が高まるなど、人により相性はありますが、環境を変えることで変わってくることもあります。
最後に
いかがでしたでしょうか?
ADHDという特性を持つ子どもたちは「何がだめなのか」「なんでできないのか」「できない時にどうしたらいいのか」がわからないまま怒られていることがあります。
そして、幼児期に理由はわからないけど「怒られた」という経験が積み重なることで、被害者意識が高まっていくことがあります。
ですので、本人が困っていそうな時、お子さんを育てているご家族が困っている時は、ぜひ子どもがネガティブな経験を積み重ねる前に支援につながっていただけたらと思います。
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引用文献
注意欠如・多動症(ADHD) - 注意欠如・多動症(ADHD) - MSDマニュアル家庭版
注意欠如多動症(ADD,ADHD) - 注意欠如多動症(ADD,ADHD) - MSDマニュアル プロフェッショナル版
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/57/1/57_27/_pdf/-char/ja
子どもの感覚運動機能の発達と支援|儀間 裕貴 , 大城 昌平