難しい子育ての知恵袋

こどもの相談室TOMOで活動している療育保育士がおうちの中で役立つ情報をお伝えしていきます

子どもの困った行動が変わる!ペアレント・トレーニング成功事例

こんにちは!こどもの相談室TOMOのちえです😀

今回は私が担当している受講生さんと、お子さんの素晴らしい成長をご紹介!


発達に特性のある子どもを育てている中で、こんなお悩みはありませんか?

  • 何度行っても同じ行動を繰り返してしまう
  • 叱っても伝わっていない感じがして、嫌気がする
  • 叱ってばっかりでこのままではいけない気がする
  • どうか関わったらいいかわからない

こんなお悩みを解決するヒントが、ペアレント・トレーニングにはあります!

今回は、5歳のゆうなさんとそのご家族が11週間でどのように変わったのかを紹介します。

 

* ゆうなさんとご家族
=== ゆうなさんのプロフィール ===

 ⚫︎ お子さんの名前:ゆうなさん
 ⚫︎ お子さんの年齢:5歳
 ⚫︎ お子さんの性別:女の子
 ⚫︎ きょうだい:ふたごの姉、兄がいる
 ⚫︎ 診断状況:知的障がい、発達障がい

=== ご家族のプロフィール ===

 ⚫︎ ご家族:ゆうなママ(会社員)
 ⚫︎ 相談のきっかけ:障がいについて深く知りたい、きょうだいとの関わりを学びたい
 ⚫︎ 日頃の相談先:児童発達支援事業所

=== 困っている行動 ===

以下のようなゆうなさんの行動にお悩みでした。

 ⚫︎ 要求が通らないと大きな声を出す
 ⚫︎ イヤなことがあった時に物に当たる
 ⚫︎ 高いところからジャンプする
 

アレント・トレーニングの流れ

全体のスケジュール

ゆうなママとはこんなスケジュールで学習を進めていきました!

TOMOトレは全8回、1週間から2週間ごとに担当コーチをセッションを持ちながら、学習を進め困りごとを解決していきます。

改善ポイント

初回:行動を観察し、目指すゴールを設定(指差しで要求を伝える)
まずは困っていたこと、そしてどうしたら困りごとが解決していくかを一緒に目標を設定していきます。
 
具体的に困っていたことが2つありました。
  1. TVが見たいと訴えて、違うものが映ると大きな声で訴える
  2. イヤなことがあった時にティッシュ箱を落とす
これらに対して、ペアレント・トレーニングの手法
  • 肯定的な注目
  • 上手な無視

を3週間学びながら実践していただきました。

 
すると・・・ペアトレを初めて3週目には

 

  1. TVが見たいと訴えて、違うものが映ると大きな声で訴える
    ・指差しで自分で見たいTVを選択できたことで、大きな声を出すことが減った
    ・見たいTV以外の場面でも、指差しや手差しの場面が増えた
  2. イヤなことがあった時にティッシュ箱を落とす
    ティッシュ箱を落としても音のならない物に変えたところ落とさなくなった

こんなゆうなさんの行動の変化がありました。

7週目:伝わりやすい方法でルールを提案(視覚提示で危険な行動を減らす)
次に【危険で許しがたい行動:TVボードに登ってジャンプ】への関わり方を考えていきました。
 
大人から見ると、危険で許しがたい行動でも、子どもにとっては楽しい遊びの一つです。
これを、声かけ+視覚提示と関わりで変えていきます。
 
具体的に取り組んだ方法は
  • こっちならOKと見本を見せる
  • 安全な遊びをしている時にたくさん声をかける
「危ないよ!」「ダメって言ったでしょ!」と言いたくなる気持ちを抑えて、この2つに力を入れてもらいました。
 
そうすると、翌週にはTVボードに登ってジャンプという行動がほぼ0に!
その代わりに「こっちならOK」と提示した場所で安全に遊ぶ姿が増えたそうです☺️
8週目:新しい環境への挑戦(靴屋さんでのスムーズな買い物!)
8週目になると、ママも最初の頃よりレベルアップ!

初めての場所に緊張しやすいゆうなちゃん。
おやすみの日にご家族で新しい靴を買いに行ったそう。
 
ゆうなママがペアレント・トレーニングで学んだことを実践したのは
  • 出かける前の日に靴屋さんの写真を見せる
  • 出かける当日も同じ写真を見せる
この2つでした。
今までだと初めてのところに行くとパニックを起こしていたゆうなちゃんですが、ママがしっかりと「何が起こるか」を説明してくれていたので見通しを持つことができました。
 
見通しを持つことで
  • 大きな声を出す
  • パニックを起こす
  • 走り回る

こんな様子なく、座ってお買い物をすることができたそうです。

自分の足に合う新しい靴を見つけてもう終わり!と思ったゆうなちゃんは靴屋の店員さんに「バイバイ」と終わりにしたいアピールをしっかりしていたそうです。
頑張った姿がとても眼に浮かぶお話しでした。
 

11週間のペアレント・トレーニングを通したゆうなちゃんの成長

それでは最後にまとめです。

最初に悩んでいた困りごとはどのように変わっていったのでしょうか?

  1. 見たいテレビの要求が指差しでできるようになった!
    →要求が通らなかった時に大きな声を出す頻度が減りました。
  2. 危険な行動であったTVボードからのジャンプがほぼ0になった!
    →安全な場所での遊びに移行することができました。
  3. 初めての靴屋さんでの成功体験!
    →3ヶ月前までは考えられなかった初めての場所でのお買い物もできた!
  4. ママの成長!
    →写真や砂時計などの視覚提示を活用することで日々の生活がスムーズに。

素晴らしいゆうなさんの成長ですね!!!!
そして、ママも一緒にたくさん頑張ってくださいました。

知的にゆっくりなお子さんを育てていると、どのように表現方法を伝えたら良いのか、かかわっていったらいいか悩むことがたくさんあると思います。
ですが、一つずつ丁寧にお子さんの行動を理解し、関わり方を変えていくことでお子さんの姿は変わっていきます。
 
ゆうなちゃんとママの成長を見て、「親子で一緒に成長する」素晴らしさを改めて強く感じました。
 

アレント・トレーニングで学ぶこと

アレント・トレーニングでは6つの項目を学んでいきます。

  • 行動理解:子どもの行動を行動の機能をもとに理解する
  • 行動の3分類:「増やしたい行動」「減らしたい行動」「危険な行動」に分けて考える
  • 褒めるコツ:子どもの良い行動を見つけ、適切なタイミングで褒める
  • 不適切な行動への対応:叱らずに伝える方法
  • 環境調整:行動が起こりにくい環境作り
  • 達成しやすい指示:伝わりやすい声かけと具体的な手法

この内容だけを知りたいという方は本もたくさん出ていますので、ぜひチェックしてみてください。

 

「本は見てみたけどよくわからない」
「私にもできるかな?」
「私も子どもも変われるかな?」
と不安に感じた方、ぜひ一度お話しを聞かせてください😄

 

初回の無料相談では、みなさんのご状況に合わせた具体的なアドバイスをお伝えします。ぜひカレンダーよりご予約ください。