難しい子育ての知恵袋

こどもの相談室TOMOで活動している療育保育士がおうちの中で役立つ情報をお伝えしていきます

癇癪や不安が減った!4歳のけんじくんが成長したペアレント・トレーニング事例

  • 場所見知りや人見知りが激しい
  • 家族以外の前で声を発しようとしない
  • 癇癪(かんしゃく)がひどい
  • すぐに泣き叫ぶ
  • 家族への暴言がひどい

こんなお子さんの姿にお悩みはありませんか?
そんな子育ての悩みを解決するヒントがペアレント・トレーニングにはあります!

 

今回は、TOMOトレで私がサポートしてきた、4歳のけんじくんとそのご家族が8週間でどのように変わったのかを紹介していきます☺️

 

* けんじくんとご家族
=== けんじくんのプロフィール ===

 ⚫︎ お子さんの名前:けんじくん
 ⚫︎ お子さんの年齢:4歳
 ⚫︎ お子さんの性別:男の子
 ⚫︎ 診断状況:診断はなし

=== ご家族のプロフィール ===

 ⚫︎ ご家族:けんじママ(会社員)
 ⚫︎ 相談のきっかけ:子育てがうまく行かない
 ⚫︎ 日頃の相談先:ママ友、親

=== 困っている行動 ===

以下のようなけんじさんの行動にお悩みでした。

 ⚫︎ すぐに泣き叫ぶ
 ⚫︎ 自分で歩こうとしない
 ⚫︎ 保育園で喋らない
 

アレント・トレーニングの流れ

全体のスケジュール

けんじママとはこんなスケジュールで学習を進めていきました!

TOMOトレは全8回、1週間から2週間ごとに担当コーチをセッションを持ちながら、学習を進め困りごとを解決していきます。

改善ポイント

初回:スペシャルタイムを取り入れる

不安が強かったけんじくんです。

 

強い不安からくる困った行動は主に2つありました。

  1. すぐに大きな声で泣き叫ぶ
  2. 自分でやろうとしない(歩く、食べるなど)

これらに対してペアレント・トレーニングの学習内容のひとつ

をまずは3週間学びながら実践していただきました。

 
すると・・・ペアトレを初めて3週目には
  1. すぐに大きな声で泣き叫ぶ回数が減った
    ・泣き叫ぶ前に「いや!」と言葉で表現するようになった
    ・笑顔で過ごす時間が増えた
  2. 自分でやろうとする姿が増えた
    ・一人遊びの時間が増えた
    ・「〜とって」という声かけに応えてくれることが増えた

こんなけんじさんの行動の変化がありました。

ただ、うまく行ったらずっと右肩上がりでうまくいくわけではありません。

 

自分でやろうとする姿が増えたので、少しずつけんじママは関わりを変えていきました。
今まで「んぁ!」とけんじくんが大きな声を出したら「〜して欲しいの?」と要求に答えていたのを「何して欲しいの?」という声かけに変えました。

そして、けんじくんが表現できる見本を見せて癇癪を減らしていくための関わりを頑張って実践していきます。

 

が・・・今まで順調に行ってたのにけんじくんの癇癪がより一層激しくなりました。

けんじママは「うまく行かない・・・」と感じていましたが、実はこれは順調な証拠!

 

一時的に癇癪が増えるのは応用行動分析でいう【消去バースト】という行動の一つ。

対応を変えずに丁寧に関わっていくことで【消去バースト】は3日で無くなり、自分で挑戦する姿が増えたそう☺️

7週目:子どもが達成しやすい指示
7週目になると、けんじくんの泣き叫びも落ち着いている時間が増え、けんじママも冷静に関わることができる時間が増えてきたとのこと☺️
 
けんじママからも「もう少し頑張れそう!」との言葉があったので、次のステップに進んでいきました。
 
今まで怖いこと・怖いものがたくさんだったけんじくん。
自分で何かをする、挑戦するという行動がなかなか見れませんでした。
 
そんなけんじくんにまずは自分のことは自分でやってもらうということを積み重ねることにしました。
 
頑張ることにしたのはこの2つ
  1. 遊んだおもちゃを片付ける:最後の1つを片付ける
  2. 自分で食べる:デザートを自分で食べる

 

実践してもらう中で「ルールを変えない」ということをまずは意識をして関わってもらいました。

 

最初は大きな声を出し嫌がっていたけんじくんですが、けんじママが同じ声かけと、して欲しいことを手を添えて教えていくことで、少しずつですが声かけだけで自分でできることが増えていいきました。

 

8週間のペアレント・トレーニングを通したけんじくんの成長

それでは最後にまとめです。

最初に悩んでいた困りごとはどのように変わっていったのでしょうか?

  1. すぐに泣き叫ぶ
    →泣き叫びは減少!言葉での表現が増えた
  2. 自分で歩かない
    →声かけで少しずつ自分で歩くように
  3. 保育園で喋らない
    →言葉はまだだが、笑顔で過ごす時間が増えた!

素晴らしいけんじくんの成長ですね!!!!
そして、ママも本当にたくさん頑張ってくださいました。

不安が強いお子さんは外での不安を、全て親御さんに向けることが多いです。
ですので、親御さんの心にかかる負担は大きなものとなっていきます。
大人の心の余裕がなくなると、どうしても大きな声で注意しがちになってしまいますが、その対応が実は不安が強い子どもたちにとっては逆効果になってしまうことがあります。
 
 
一人だとどうしていいかわからない・・・と感じていたけんじママも相談を通して、少しずつけんじくんの不安や恐怖をたっぷりの愛で受け止めてくださいました!
 
そんなママの頑張りがあったからこそのけんじくんの変化でした。
 

アレント・トレーニングで学ぶこと

アレント・トレーニングでは6つの項目を学んでいきます。

  • 行動理解:子どもの行動を行動の機能をもとに理解する
  • 行動の3分類:「増やしたい行動」「減らしたい行動」「危険な行動」に分けて考える
  • 褒めるコツ:子どもの良い行動を見つけ、適切なタイミングで褒める
  • 不適切な行動への対応:叱らずに伝える方法
  • 環境調整:行動が起こりにくい環境作り
  • 達成しやすい指示:伝わりやすい声かけと具体的な手法

この内容だけを知りたいという方は本もたくさん出ていますので、ぜひチェックしてみてください。

 

「本は見てみたけどよくわからない」
「私にもできるかな?」
「私も子どもも変われるかな?」
と不安に感じた方、ぜひ一度お話しを聞かせてください😄

 

初回の無料相談では、みなさんのご状況に合わせた具体的なアドバイスをお伝えします。ぜひカレンダーよりご予約ください。