こどもの相談室TOMOでは
- 保育士:子どもの遊びのプロ
- 幼稚園教諭:幼児教育のプロ
- 認定ABAセラピスト:行動を増やすプロ
を持っている私たちが、お子さんの困った行動に悩む親御さんへ向けて、行動課題の解決策を提供しています。
信頼性の高い情報をわかりやすくお伝えすることを目指し、具体的な方法を紹介し解決をサポートしています。
今回はTOMOに実際にいただいた相談「子供の反抗や癇癪」といった困った行動に対処するためのお伝えした実践的なアドバイスをご紹介します。
アイスがないとお風呂に入らないAくんの話
■エピソード
3歳の男の子が、お風呂に入るのを嫌がります。
毎日お風呂に入るためにお風呂の中でアイスを食べさせてなんとか入ってもらっていますが、このままではいけないと思っています。どうしたらよいでしょうか?
■アドバイス
3歳頃は我慢を覚える時期です。
子供たちは自分の思い通りにならないことを学びます。
癇癪を起こしても、要求が通らない経験を積み重ねることが大切です。
ただし、癇癪を無視するだけでは子供たちは理解されないと感じてしまいます。
以下の方法で子供と接することに意識を向けましょう。
- 前の遊びを終わらせる。
- 子供の遊びを終えたくない気持ちに共感する。
- お風呂で楽しいことを作る。
- 子供が自分から来るまで待つ。
子供が来られるように手助けすることが必要な場合は、強制するのではなく手伝うことを意識します。 - 一緒に遊んで楽しかったことを強調する。
■アドバイスの結果
お母さんは30分お風呂場で待ったそうですが、アイスなしで自分からお風呂に入ることができたそうです。
また、最初はお風呂場にお子さんの好きなおもちゃを5個持って行っていたそうですが、徐々に減らすことができ、今はおもちゃなしで日常のルーティンとしてお風呂に入ることができるようになりました。
荷物はママが持つものと思っているBちゃんの話
■エピソード
3歳の女の子です。
園の鞄や、服のお着替え、おもちゃの用意など全て「ママがやって!」と言います。
遊んでいる時も近くにいないと怒ります。家事など何もできません。どうしたらよいでしょうか?
■アドバイス
”注目して欲しい気持ち” が強く ”母子分離” ができていないかもしれません。
そんな時の子どもの気持ちは「強い不安」です。
以下の方法で子供と接することに意識を向けましょう。
- 大人からスキンシップを取る
- 少しずつ楽しく離れる時間を作る
- 離れている時の安心グッズを用意する
- 離れている間の楽しかったことを母に報告し褒めてもらう
■アドバイスの結果
今まで子どもから「抱っこ」と言われたから「抱っこをする」だったのを、お風呂上がりの遊びの時間にギュッと抱きしめたり、くすぐり遊びをしてから絵本を見るという流れに変えました。
すると、翌週から園にいく時もスムーズに、少しずつ園で楽しかった話をしてくれるようになりました。
1ヶ月後には、自分から靴下を履いたり、靴を履いたり少しずつ自分でやるようになりました!
おもちゃを触られるとキレるCくんの話
■エピソード
4歳の男の子です。
お家での遊びはいつも同じで、プラレールで遊んでいます。
弟が近づいてプラレールに触ろうとすると、すごい形相で弟を押したり叩いたり・・・
Cに怒ってもわかっている感じがありません。どうしたらいいでしょうか?
■アドバイス
自分の大切なおもちゃを取られることに対する不安と、
自分だけが怒られていると感じている不満を持っている可能性が高いです。
そんな時は、こんな関わりを意識してみて欲しいです。
- 弟よりもCくんに注目する
- 素敵な行動の時に褒める
- 弟の気持ちを代弁してCくんに伝える
- Cくんの気持ちを代弁して弟に伝える
■アドバイスの結果
Cには怒ってばっかりで褒めていなかったと反省しました。
弟のおむつを変える前にCに一言声をかけたり、先にCを抱きしめてから弟を抱っこしたりしてみました。
すると、少しずつおもちゃを貸してくれたり、手が出る前に唸り声を上げるなど様子が変わっていきました。
そして、互いの気持ちを代弁して伝えることで、困った時に大人に助けを求めるようになりました。
まだ、自分の気持ちを言葉にできるだけの発語はありませんが「やめてー!」と叫ぶことができるようになったことが大きな成長だと感じています。
ありがとうございます!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
反抗や癇癪といった困った行動に対処するためには、原因の予測とそれに合った対応が重要です。
ただ「無視をする」「言う通りにする」だとその後、より大変な困った行動に繋がっていきます。
親御さんが自身の行動を変えることで、子どもの行動は変化し、より良い関係を築くことができるようになります。
解決策の効果はその子の発達段階や住んでいる環境、過ごしている集団生活の環境、兄弟の有無によって異なる場合があります。
一人で悩まずに周りに頼ってみるのも一つの手です。