こどもの相談室TOMOでは
- 保育士:子どもの遊びのプロ
- 幼稚園教諭:幼児教育のプロ
- 認定ABAセラピスト:行動を増やすプロ
を持っている私たちが、お子さんの困った行動に悩む親御さんへ向けて、行動課題の解決策を提供しています。
どうやって怒ったらいいでしょうか?
褒めるのは良いのでしょうか?
たくさんの質問をいただくので今回は「しつけ」についてまとめていきます。
子どものしつけとは?
そもそも「しつけ」とは何をさすのでしょうか?
辞書で言葉の意味を調べてみました。
《意味》
しつけ。身についた礼儀作法。みだしなみ。
しつける(しつく)。礼儀作法を教えこむ。
《解字》
会意。「身+美」の日本製の漢字。からだを美しく飾ることから、しつけの意をあらわす。
子どものしつけは、子供の成長に合わせて、様々な項目があります。
ここでは、いくつかの具体的な例をご紹介します。
基本的な生活習慣を身につける
- 食事
- 睡眠
- 排泄
- 身なり
- 掃除
- 整理整頓
他人との関わり方を学ぶ
- 挨拶
- 礼儀
- 協調性
- 思いやり
- 助け合い
自立心を育てる
- 自分のことは自分でする
- 自分で考え判断する
- 自分で行動する
- 自分で責任を持つ
これらの項目は、子どもが社会に出て自立していくために、必要な基礎的な能力です。
大人は、これらのスキルを子どもに身につけさせるために、適切なタイミングでつたえていきましょう。
これらをまとめてライフスキルと言ったりします。
発達障害のお子さん、特性のあるお子さんはこのライフスキルが身につきにくいが故に「気になる子」「落ち着きのない子」「空気が読めない」と表現されることが多いと感じています。
そして、発達障害のお子さんや特性のあるお子さんは、感覚情報の取り入れ方や記憶の苦手さから、こう言ったスキルが身につきにくいとも言えます。
発達障害としつけ(ライフスキル)の課題
親の顔が見たい
1. しつけの悪い子どもに接した時などにあきれていうことば。出典: 日本国語大辞典(精選版)「親の顔が見たい」
子育てをしていて不安に思うこと、気になることってこんな言葉があるからではないでしょうか?
努力をしていない親御さんはいないと思います。
”自分なりにやってみた” ”けど、上手くいかなかった” ”どうしたらいいかわからない”
という今までの経験から、こうなっているかもしれないですよね。
「やってみたけど上手くいかなかった」これはしょうがないことかもしれません。
発達障害という特性を持っているお子さんに理解をしてもらう場合には、ひと工夫必要な場合があります。
なぜひと工夫必要なのかについてお伝えしますね。
想像すること、あいまいさが苦手
発達障害を持つお子さんは、社会的なルールや行動の適切な判断が難しい場合があります。
特に言葉だけの指示での理解は難しい場合があります。
コミュニケーションの障害
言語や社交的なスキルの遅れや苦手さがあるお子さんは、自分の気持ちを伝えたり、空いての気持ちを理解することが苦手な場合があります。このため、そもそも大人とのコミュニケーションや指示の理解に問題が生じ、しつけ(ライフスキル)を伝えることが難しい場合があります。
刺激に対する過敏な反応
一部の発達障害のお子さんの中は、刺激に対して過敏な反応を示すことがあります。
例えば、過度の騒音や明るさ、触覚刺激などに対して過剰に反応することがあります。
このような過敏な反応によって、困難が生じることがあります。
ただし、感覚に関する過敏さや鈍麻さは誰にでも生まれる物です。
不安が強い、こだわりが強いお子さんはこの部分に注目し関わり方を変えてあげると、落ち着く場合があります。
集中力や感情コントロールの苦手さ
他のものに気持ちが向きやすく、目の前のものがとりあえず欲しい!となりやすいお子さんもいます。これを衝動性と言います。
衝動性が強いお子さんがほかのものに気持ちが向いている時に何かを伝えようとしても、上手く伝わらないことが多くあります。
習慣やルーティンの重要性
習慣やルーティンに強いこだわりを持つお子さんもいます。こだわるのは不安だから、でもそのこだわりが崩れるとより強い不安に・・・というような悪循環につながることがあります。こう言った時には、まずはお子さんの不安によりそうことが第一に重要になります。
これらが、発達に特性のあるお子さんにしつけ(ライフスキル)を伝える時に理解をしておきたい問題点・課題点です。
押さえておきたいPOINT
これらの問題を解決するためには、以下のようなポイントを押さえることが重要です。
- 子どもとのコミュニケーションを深める
- ポジティブな強化を行う
- 一貫性とルールの明確化
- 時間とのバランス
子どもとのコミュニケーションを深めることは、問題解決の鍵です。子どもに対して理解を示し、感情を共有することで信頼関係を築きましょう。
具体的には「子どもの気持ちを言葉にして伝える」ことです。
言葉にして伝えることで「あ〜僕、私のことわかってくれている」と理解できます。
そうすると、この人の話を聞こう!という気持ちに繋がります。
ポジティブな強化を行うことで、子どもは望ましい行動を学びます。
叱るだけでなく、子どもの良い行動に対しては褒めましょう。
こういった関わり方はABA(応用行動分析)の分野になります。
いろいろな場面で具体的な声かけの方法を知ることから始めましょう。
褒めるにもコツがあります。
一貫性のあるルールを作り、子どもに対して明確に伝えましょう。
ルールが明確であれば、子どもも自分の行動に責任を持つようになります。
ルールの伝え方はこちらで詳しくお話しをしています。
子どもの行動に対しては、短期的な対応だけでなく、長期的な視点も持つことが大切です。
将来の成長や発達を考慮しながら、バランスとメリハリを意識して関わると伝わりやすくなります。
注意すべき点
子どものしつけ(ライフスキル)を伝えることは短期的な困難を伴うこともあります。
癇癪が起きたり、ボイコットが起きたり・・・
ですが、親が適切な方法を身につけることでその先が楽になります。
子どもの成長に合わせて柔軟にアプローチしていきましょう!