こどもの相談室TOMOでは
- 保育士:子どもの遊びのプロ
- 幼稚園教諭:幼児教育のプロ
- 認定ABAセラピスト:行動を増やすプロ
を持っている私たちが、お子さんの困った行動に悩む親御さんへ向けて、行動課題の解決策を提供しています。
保育園や幼稚園から”療育”というキーワードが出てくると「え?なんで?」「どういったところが?」「なんで今!?」と気になりますよね。
今日は私たち保育士が子どものどんなところを見て発達が気になり、専門医や児童相談所に相談をすすめるかについてまとめてみました。
保護者の方への伝え方には、園により様々な方針があると思います。
一つの一例として捉えていただけたら嬉しいです。
こちらも長くなるので2回に分けてまとめていきます。
療育(発達支援)をすすめる理由
発達の遅れ、発達障害のお子さんの早期発見、早期アプローチは、その子の将来に大きな影響を与えます。
幼児期に必要なサポートを受けることができないと、今の困り感がさらなる困り感を生み出し二次障害となる場合もあります。
専門医との連携を言われる時には、とても大きな衝撃を受けると思います。
ですが、1年で子どもはとても成長します。
その大切な1年をどう過ごすか、ご家族と一緒に考えていくためにも大切なことだと思っています。
また、療育はお子さんのためになるだけではなく、ご家族をサポートすることができます。
言うことを聞かないのは、伝え方を変えることで変わるかもしれません
癇癪がひどいのは、パニックを起こしているのかもしれません
片付けてくれないのは、環境が整っていないかもしれません
療育に通い、発達支援(療育)の専門家に相談すると、今までの困り感を減らすことができます。
早期療育が大切な理由①
発達障害のお子さんの治療としてエビデンスが出ているのは、環境を整えることと療育的関わりと言われています。(ADHDへの対応はお薬もありますが、環境や療育的関わりを経た上での投薬が多いです)
療育的関わりでは、お子さんの癇癪やパニックに寄り添い、時には怪我の無いように見守り、癇癪に屈しない対応が必要となります。
こういった関わりは、就学前のお子さんだとまだ体が小さく体重も10〜15キロが平均なので、ジタバタと暴れていてもなんとか抱きかかえ場所を移すことができます。
ですが小学校以降お子さんの体が大きくなってくると、当たり前ですが力も強くなっていきます。身長も伸びます。
20キロを超えた子どもが癇癪を起こしているのを一人で抱き抱えて運ぶことはほぼ難しくなります。
体力的な面から見て、子どもの体が小さいうちの療育的対応は大人の難易度が下がるという点から非常におすすめです。
早期療育が大切な理由②
子どもの成長スピードは凄まじいです。
特に2~3歳頃に自我が芽生え始めます。
イヤイヤ期と言われるものですね。
自我が生まれると、癇癪のレベルは変わります。
今までなんとな〜くうまくいっていたことが、一つずつ時間がかかったり、気持ちの切り替えができなかったり、今までにない困り感が生まれることがあります。
さらに発達ゆっくりさんの場合は、自我が芽生えるタイミングがゆっくりな場合があります。
そうすると、先ほどの話にもあったように体が大きくなった癇癪に正面から向き合わなくてはならなくなります。
このような時に、療育的関わりを知っているのと知らないのでは大変さが全然違います。
早期療育が大切な理由③
①②では大人に対するメリットをお伝えしました。
最後は、お子さんにとってのメリットを紹介します。
早期療育を受けることで、発達が促されることはもちろんですが、一番のメリットはお子さんに自信が付き、二次障害を防ぐことができます。
お子さんが自分で「できた!」を実感することで、様々なことに対する積極性を促すことができます。
自信がつくとさらにできるようになりたいという向上心に繋がります。
向上心が芽生えると、周りに興味をもち始めます。
周りに興味を持つと友達との関係が変わり始めます。
子どもが自分で「できた」と感じることは、いろいろなことに関するきっかけを作ってくれます。
さいごに
早期療育が大切と言われる理由は伝わりましたでしょうか?
最初にもお伝えしたように、お子さんに療育が必要かどうかを判断するのはお医者さんになります。
私たち保育士は「今のうちに相談した方がいいかもしれない」という段階でご家族にお話をしなくてはなりません。
そのため、早期療育のメリットということを理解した上で、いつのタイミングでお伝えをするのが良いかということを考えていたりします。
診断をするのはお医者さんなので、断言をしてお話をすることができないことを心苦しく思うことがあります。
そんな時は、今回まとめたことなどを園の中で様々な先生と相談しながらお伝えするタイミングを検討していきます。
発達には順番があります。
その順番を見て「今の年齢でここに困り感があると、違う困り感につながるかも」と私たち保育士は考えています。
次回は、保育士が見ている気になるサインについてまとめていきたいと思います。
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