難しい子育ての知恵袋

こどもの相談室TOMOで活動している療育保育士がおうちの中で役立つ情報をお伝えしていきます

医療における発達障害の診断基準

 

こどもの相談室TOMOでは

  • 保育士:子どもの遊びのプロ
  • 幼稚園教諭:幼児教育のプロ
  • 認定ABAセラピスト:行動を増やすプロ

を持っている私たちが、お子さんの困った行動に悩む親御さんへ向けて、行動課題の解決策を提供しています。

今回は、私たちが支援・サポートをしているお子さんが持っている ”発達障害” というものについてまとめていきます。

 

医療における発達障害の概念

 

医療の中では、発達障害精神疾患の中に位置付けて考えられています。
国際的な診断基準には大きく2つの基準があります。

 

以前Instagramでまとめたのでよかったら見てみてくださいね。

 

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診断基準は大きく2つ

アメリカの精神医学会(DSM)と世界保健機構(WHO)による国際疾病分類(ISD)があります。

現時点では、2022年に出版されたDSM-5と2019年に採択されたICD-11が最新版です。(2023.8現在)

言葉の表現方法は異なるものの、内容としてはほぼ変わらないとされています。

今回は、DSM-5に書かれている内容を翻訳したガイドラインがあったので、抜粋させていただきました。

神経発達症群/神経発達障害

1知的能力障害群
 ・知的能力障害(知的発達症/知的発達障害)(IDD)
 ・全般的発達遅延
 ・特定不能の知的能力障害 (特定不能の知的発達症/ 特定不能の知的発達障害

2コミュニケーション症群/コミュニケーション障害群(CD)
 ・言語症/言語障害
 ・語音症/語音障害
 ・小児期発症流暢症/小児期発症流暢障害(吃音)
 ・社会的(語用論的)コミュニケーション症/社会的(語用論的)
 ・コミュニケーション障害
 ・特定不能のコミュニケーション症/特定不能のコミュニケーション障害

自閉スペクトラム症自閉症スペクトラム障害ASD

4注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害(ADHD

5限局性学習症/限局性学習障害(SLD)

6運動症群/運動障害群(DCD)
 ・発達性協調運動症/発達性協調運動障害
 ・常同運動症/常同運動障害
7チック症群/チック障害群
 ・トゥレット症/トゥレット障害
 ・持続性(慢性)運動または音声チック症/ 持続性(慢性)運動 または音声チック障害
 ・暫定的チック症/暫定的チック障害
 ・他の特定されるチック症/他の特定されるチック障害
 ・特定不能のチック症/特定不能のチック障害

8他の神経発達症群/他の神経発達障害
 ・他の特定される神経発達症/他の特定される神経発達障害
 ・特定不能の神経発達症/特定不能の神経発達障害

 

どう考える?

 

長々と抜粋しましたが、大まかな私の中での発達障害の捉え方についてまとめていきます。

①知的能力(論理的思考、抽象的思考など)
②コミュニケーション機能(言葉を話す、発音する、吃音、TPOなど)
③学習機能(学習、概念理解、記憶など)
④実行機能(問題解決能力、判断など)
⑤運動機能(粗大運動、微細運動、協調運動など)
⑥社会機能(社会的スキル、日常生活スキルなど)

こういったそれぞれの機能の不得意さが際立ち、日常生活に困難さが生まれたり、不得意さから「できないかもしれない」「ダメだ」という気持ちの面に影響が生まれていると捉えています。

 

どこで凸凹を数値化して見ることができるのか

 

私はDrではないので、診断はできません。

子どもの得意、不得意について具体的に調べてくれるのは”発達検査”と呼ばれる検査です。

発達検査はDrの指示で受けたり、児童相談所にいる心理士さんに検査をしてもらうことができます。

発達検査では、先ほどあげたような項目に対しお子さんの苦手さがどこにあって、どこが得意かを数値化してみることができる一つの指針となります。

 

さいごに

 

私たち保育士は、子どもの年齢に合わせてその時期に伸びる・伸ばしたい能力や機能の発達を促すように遊びを提供しています。

ですが、全体の流れに乗ることが苦手なお子さんや、困り感を感じているお子さんは、不得意なところが際立ってしまう場合があります。

そんな時は、発達検査を受けていただきお子さんの得意・不得意を周りに共有することで、お子さんの理解を深めたり、困ったを減らしていくことができると思います。

検査を受けることは、生きやすく・過ごしやすくする方法の一つとして捉えてもらえると保育現場でもお子さんへの関わり方を変えることができると思います。