こどもの相談室TOMOでは
- 保育士:子どもの遊びのプロ
- 幼稚園教諭:幼児教育のプロ
- 認定ABAセラピスト:行動を増やすプロ
を持っている私たちが、お子さんの困った行動に悩む親御さんへ向けて、行動課題の解決策を提供しています。
今回は、私たちが支援・サポートをしているお子さんが持っている ”発達障害” というものについてまとめていきます。
発達障害とは
この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。
日本の法律では、発達障害はこのように定められています。
正しく発達障害をとらえていただけるよう、パンフレットなども用意されています。
https://www.mhlw.go.jp/seisaku/dl/17b.pdf
ぜひ一度目を通していただきたいと思います。
この図からは
①広汎性発達障害という大枠の中に自閉症、アスペルガー症候群がある
②注意欠如多動症(ADHD)と学習障害(LD)と広汎性発達障害は重複することがある
③広汎性発達障害と注意欠如多動症は、知的な遅れを伴うことがある
と理解することができます。
ですが「🔍発達障害」と検索すると他にも知的発達障害、自閉スペクトラム症、発達性強調運動症など似ているけど違う言葉を見ることがありますよね。
用語の詳しい内容については、こちらのブログも見てみてくださいね。
苦手は一人ひとり違う
発達障害という言葉だけを聞くと「どうしよう」という強い不安を感じることもあると思います。
そうして理解をしようとたくさん検索をすると
発達障害を理解しよう!
自閉症の特性のある子にはこう対応しよう!
という言葉を見かけることがあります。
でも、その子一人ひとりが違うことはもちろんですが、置かれている環境(親、先生、住んでいる場所、兄弟など)も同じ人はいません。
ですので、ネットにある事例はあくまで1つの例です。
そのお子さんの行動をどのように理解するのか、どのように関わり対応していくかで結果は変わっていきます。
重なり合うってどういうこと?
発達障害の説明の時に ”それぞれの障害特性が重なり合うことがある” というような表現をされることがあります。
こういった表現の理由としては、
3歳の男の子です。
発語は1語文が基本です。指差しはほぼなく、クレーンで要求を伝えます。
園の中では全体指示に沿って動くことはできず、フラフラ〜と立ち歩いたり、好きなものが見えると走り出します。
このようなお子さんがいたとします。
先ほどの図に書かれた特性から考えると
・知的な遅れ
・言葉の遅れがある(自閉症に書かれている症状)
・衝動的に行動してしまう(ADHDに書かれている症状)
3つの枠に書かれている行動が該当します。
このように1つの障害特性ではない様子が見られたりすることを重なり合う・併せ持つと表現されることがあります。
どうしてすぐ診断されないの?
例をあげてみてみると、伝わりやすいかと思いますが、その子の様子を障害の種類に合わせて明確に当てはめることは非常に困難だと言われています。
また、人間は生涯発達をする生き物です。
そして幼児期はその発達が著しい時期です。
ですので、診断が難しいと言われています。
診断を受けることができないと何もできないというわけではなく、その子の困り感やつまづきに対して「できた」を増やすような関わりをしていくことで、その先の困難さを緩和していくことができると考えられています。
これが療育的関わり(発達支援)です。
グレーってどういうこと?
例えば、自閉症の特性に書かれている
・言葉の遅れ
・コミュニケーションの障害
・大人関係・社会性の障害
・パターン化した行動
これらの中でも、すべての特性に当てはまる方もいれば、一部だけ色濃く特性が出ることもあります。
また、置かれた環境によってその特性が濃く出る場合もあるため、気づかれにくい障害であると言われたりします。
生活をする上での困り感や、周りからの様子、発達検査の結果などを踏まえ、診断基準をもとにDrが発達障害であるかの診断をしてくれます。
そのため、診断はされていないが発達検査の結果に凸凹があって、集団生活や日常生活がしにくかったり、Drから発達障害の疑いがあるというような表現をされた時にSNS上ではよく発達グレーという表現をしているのを見かけます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここでは、診断名が大切ということを伝えたかったのではなく、困り感は一人ひとり違うので、より大きな困り感に繋がらない工夫ができたらいいなということをお伝えしたかったです。
どんな行動が将来の困り感につながる可能性があるかは、こちらにまとめています。
こどもの相談室TOMOでは、診断されているかということに重きは置いていません。
お子さんが何に困っていて、周りの家族は何に困っていて、今どのようなことができるか、それによってどう変わっていくかということに重点を置いています。
運動機能や、言語機能などに苦手さを持つお子さんは、周りの友達と比較して「自分ができていない」と感じることが多いです。
だからこそ「やっても意味ない」「どうせできない」と消極的な様子や自信喪失というところに繋がり、だから先生の話を聞いていないというような問題行動につながることもあります。
発達障害として理解を深めることも大切だと思います。
ですが私たちは保育士として子どもたちが「できた!」と自信を持った表情を見るために活動をしていきたいと思っています。