夏休みを前にそろそろ懇談が終わった頃でしょうか?
ゆっくりと先生とお話しできる嬉しい時間ですね!
でも、発達ゆっくりさん、特性のあるお子さんを育てる親御さんからは
「懇談でなにを言われるか不安です・・・」
「先生から○○が出来ないと言われた」
「集団の中での様子で気になるところがあると言われた」
こんな相談を受けることが増える時期でもあります。
「なにかした方が良いと思うんだけどどうしたらいいんだろう?」
「どこに相談すれば良いんだろう?」
と悩まれることも多いのではないでしょうか?
本記事では、3~6歳の子供の机の上での活動(学習活動)に焦点を当て、効果的な解決策やアイデアをご紹介します!
一緒に子供の学びを楽しくサポートしていきましょう!
先生が ”気になる” ポイント
何かに取り組む時にはまずは”なにが苦手なのか”を見つけていきましょう。
以下によく懇談の中で先生たちから”気になる”と言われやすいPOINTをあげてみました。
- 言葉の遅れやコミュニケーションが苦手
- 絵本や文字に対する興味が薄い
- 数や形のイメージがついていなそう
- 好きに描いていいよが苦手
- 落ち着きがない、座っていられない
- 一人で遊ぶことが多い
- 体の使い方が苦手
- ハサミや折り紙が出来ない
- 集団の中で先生の話しを聞くことが苦手
- 「〜するよ」の全体への声かけで動くことが苦手
- 周りから遅れていることに気づいていない(マイペース)
これらを発達課題の大きな分類に分けると
- 大きく体を動かす運動課題
- 細かな動きの運動課題
- 基本的生活習慣の課題
- 社会的コミュニケーションの課題
- 言葉の表出課題
- 知的理解の課題
この6つの課題に先ほどの気になるポイントをまとめると・・・
大きく体を動かす運動課題 | ・ 落ち着きがない、座っていられない ・体の使い方が苦手 ・集団の中で先生の話しを聞くことが苦手 ・「〜するよ」の全体への声かけで動くことが苦手 ・公園の大型遊具(ブランコ、シーソーなど)で遊びを譲ることが出来ない ・真似が出来ない |
細かな動きの運動課題 | ・ハサミや折り紙が出来ない |
基本的生活習慣の課題 | ・困った、手伝って、〜したいが言えない |
社会的コミュニケーションの課題 | ・コミュニケーションの苦手さ ・一人で遊ぶことが多い |
言葉の表出課題 | ・困った、手伝って、〜したいが言えない ・発語がゆっくりである |
知的理解の課題 | ・ 絵本や文字に対する興味が薄い ・ 数や形のイメージがついていなそう ・好きに描いていいよが苦手 ・落ち着きがない、座っていられない ・一人で遊ぶことが多い ・「〜するよ」の全体への声かけで動くことが苦手 ・周りから遅れていることに気づいていない(マイペース) ・感触遊びを嫌がる |
こんなふうに分けることができます。
ただ、これは相談を受けたものを結果的に分類しただけなので”気になる”と言われたPOINTが必ずしも、その課題とは限りません。
それは、発達はそれぞれに相互的に関連して発達が促されるというルールがあるからです。
"出来ないこと"の考え方
さて先ほどの発達課題をなんとなく眺めていてボリュームとして
- 体を大きく動かす課題
- 知的理解の課題
に分かれている印象がありますよね。
そうなんです!幼児期でに重要なのは
体をたくさん動かして遊ぶこと
なんです!!!!!
自分で自分の体を思うように動かすことができるということは、子どものさまざまな発達に関係しています。
例えば細かな運動課題の中の困り感にある、ハサミや折り紙ができないのは、目と手の運動がうまく連動していないことが考えられます。
目と手の運動がうまくいっていないのに、ハサミの練習(指先の練習)だけをしてもハサミはうまくなりません。
じゃあ目の動かし方の練習をしよう(ビジョントレーニング)と考えますが、苦手なことを座って練習して・・・と言われても何分集中できるでしょうか?
5分持てば良い方ですよね。笑
5分後、子どもは椅子に座っていますか?
ちょっと難しいかもしれません。
そこで次の困り感「落ち着きがない、座っていられない」に繋がっていき、より目立つ困り感になっていくのです。
座っていられない時の解決方法
課題を理解いただけたと思うので、次はどうしたらいいかについて3つのPOINTを紹介します。
- 遊びを通して学ぶ
- 褒めることやサポートの方法を大人が学ぶ
- 学習環境の整え方と教材の選び方
遊びを通して学ぶ
先ほどの目と手の協調運動を促したいのであれば
・おにごっこ、しっぽとりゲーム
・ボールを使った遊び
・風船を追いかける、ひらひら落ちるティッシュをつかむ
などの中からお子さんが好きな遊びをするのも遊んでいる中で練習になるのがお薦めです。
そして、たくさん体を動かしながらルールのある遊びを積み重ねていくことで、気持ちや行動をコントロールする力が身についたり、課題に取り組む集中力も身についていきます。
特に集団の中では、大人の声かけに気づくことができておらず、20~30人の多い人数だと遊び込めないお子さんはまずは大人を含めた2〜3人の少人数から楽しく遊ぶことがお薦めです。
そして、たくさん体を動かして遊んだ後に、椅子に座り机に向かう課題に取り組むと、なにもしないで机に向かうよりも集中しやすくなっていきます。
こうして少しずつ、座って集中できた時間を一緒に喜び、褒めていくことで座って集中する、苦手なことの練習をしてみるという頑張る気持ちが積み重なっていきます。
褒めることやサポート方法を大人が学ぶ
苦手なことを練習するためには「成功体験を積み重ねる」ことが重要です。
成功体験を積み重ねるためには、具体的かつタイミングの良い「褒め」と「興味の引き方」が大切です。
学びだけではなく、苦手があるお子さんに対して褒めることは子どもの自尊心や自信を高めるサポートができます。
大好きなパパやママから自分の努力を認め誉めてもらい、さらには成果につながった時にはとても強いやる気と自信に繋がっていきます。
どのように褒めたら良いかはABAを学ぶと具体的にわかりやすいです。
ですが、ABAは「好ましい行動を増やす」「好ましい行動を減らす」ことが目的の接し方について書かれています。
ABAに興味が湧いたという時には本を読んでみるのもお薦めです。
具体的にどんな場面でどう声をかけたらいいか知りたい時にお薦めな本
発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉がけ
もう少し気軽に子どもを褒めたり、どのような視点で子どもと向き合ったら良いか知りたい時におすすめの本を紹介しますね。
どういう気持ちで子どもと向き合ったらいいかヒントが欲しい時にお薦めな本
子育てコーチングの教科書
本以外にも、セミナーに参加したり自治体や児童発達支援施設、医療機関などで行っているペアレント・トレーニングに参加するのもお薦めです。
本を読んでみてもわからないと思った時には参加してみるのも良いかもしれません。
オンラインでペアレント・トレーニングを学ぶ こどもの相談室 TOMO
学習環境の整え方と教材の選び方
ビジョン・トレーニングの時にも出てきましたが、
”どうやって練習するか”は練習をする時のモチベーションに非常に影響を与えます。
誰だって難しいことに取り組むのは嫌です。
苦手なものでも頑張れば1問5分で解ける問題と30分かかる問題、どちらをやりたいですか?
と聞かれた時に積極的に「30分の方で」と選ぶ方は少ないのではないでしょうか?
*興味がある、好きなもの、得意なことは別ですよ!苦手なもので考えてください。
「出来ない」「苦手」の練習をする時に大体みなさん「年齢」を指標に教材を選ばれることが多いと思います。
実は、これが子どもの苦手を作る元となっているかもしれません。
苦手なことを練習する時は
・今できること(2問)
・少し上のこと(3問)
・挑戦問題(1問)
くらいの割合でプリント1枚程度から練習を始めていくのが良いと思います。
問題のレベルを子どものできることに合わせてもやろうとしないという時には、親御さんが隣で手を添えながら一緒にやることから始めたり、机の上ではなく自由な場所(お子さんの好きな場所やスタイル)で始めるのも良いです。
そこから徐々に頑張るレベルを変えていくことで、できることは増えていきます。
最後に私がよく使っている無料プリントのサイトをご紹介します。
まとめ
お子さんの「出来ない」に目が向いた時って、どうしたらいいんだろう・・・と不安になりますよね。
今回は幼児期の学びのサポートに重要な「発達のルール」と、大人の向き合い方や課題設定の重要性についてまとめました。
遊びを通じた学びや褒めること、適切な学習環境の整備など、さまざまなアプローチがあります。子供の興味や個性に合わせながら、楽しく学びを進めていきましょう。
苦手なことを克服する過程で成長し、より充実した人生を送ることができるはずです。
頑張ってください!