こどもの相談室TOMOでは
- 保育士:子どもの遊びのプロ
- 幼稚園教諭:幼児教育のプロ
- 認定ABAセラピスト:行動を増やすプロ
を持っている私たちが、お子さんの困った行動に悩む親御さんへ向けて、行動課題の解決策を提供しています。
今回は、私たちが支援・サポートをしているお子さんが持っている ”ADHD 注意欠如多動症” についてまとめていきます。
発達障害全般については、以前のブログでまとめているので、良かったら合わせてみてみてください!
ADHD(注意欠如多動症)とは
ADHDの診断については、アメリカ精神医学会(APA)のDSM-5(「精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版」)に記述されており、下記などの条件が全て満たされたときにADHDと診断されます。
●ADHDの診断基準
このように定められています。
ADHDの特性を改善する効果がある薬があるため、薬と共に自分の特性と付き合いながら過ごす大人も多くいらっしゃいます。
具体的な行動例
ADHDの方にみられる行動の一例です。
この行動が見られたから、必ずADHDというわけではないですが、参考までにまとめています。
ADHDの方は発達の段階に比べ著しい
・多動
・衝動性
・不注意
が見られることが特徴です。
私はよく親御さんにこのような言葉を使って説明することがあります。
決して医学的用語ではありませんし、解釈がずれいてることもあるかもしれませんが、親御さんがお子さんの特性をイメージしていただけるようにお伝えしています。
・行動の多動
ソワソワする、走り回る、じっとしていられない、一つの遊びに集中できない、走る・止まるなどの体の動きのコントロールが苦手など
・脳の多動
情報を整理することが苦手、目が忙しい、好きなものセンサーがすごいなど
・感情の多動
感情の起伏が激しい、感情コントロールが苦手など
より多動について詳しく知りたい時は、TOMOのセミナーをご視聴ください!
ADHDの当事者である加瀬先生が、多動についてお話しをしてくださっています。
また、多動の抑え方、コントロールの仕方についてもお話ししてくれています。
幼児期に気になる行動
ADHDの方の、幼児期に特に気になる行動としては、ソワソワ動いてしまう、じっとしていられないなどの行動があげられます。
これらの行動は、10歳頃の身体能力の発達と共に行動が落ち着くこともあります。
では、それまで何もしなくても良いのでしょうか?
それは違うと思います。
逆に10歳頃までは、子どもの力だけではコントロールが難しいということを頭の片隅に置いて、大人がサポートをすることが大切だと考えます。
青年期に気になる行動(二次障害)
行動の多動は目につくため、外で注意をされることが多いように感じます。
脳内の多動や感情の多動については、目に見えにくく本人もコントロールをしようと思ってもなかなか難しいことが多いです。
自分で無意識下で起きていることを繰り返し注意されていくことで「自分はひどいやつだ」「ダメなんだ」など自分を否定してしまったり、周りに受け入れてもらえないと感じた経験を積み重ねやすいと言われています。
こうした経験から、自分を受け入れてくれるような甘い囁きや誘惑に誘われて、非行の道に進んでしまうこともあります。
ADHDだから非行に走りやすいのではなく、自分自身を受け入れてもらえる経験が少なく、受け入れてくれるような甘い言葉を囁く人を求めてしまうことがあります。
ADHDの当事者である加瀬先生も以前この二次障害についてセミナーでお話しをしてくれたことがあります。
もう少し詳しく知りたいという時はぜひ見てみてください。
二次障害を防ぐために
二次障害は防ぐことができる障害です。
自分を強く否定してしまったり、必要以上に強い不安を感じたり、自分を守るために相手を攻撃したり、こういった行動を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか?
子どもの特性を理解する
特性に合わせた支援をする
ストレスの解消法を身につける
環境を整えストレスを最小限にしていく
この4つのPOINTが大切になります。
そして、これらを提供できるのが発達支援(療育)であるため、発達障害を持つお子さんには早期療育が大切と言われています。
さいごに
目の前で繰り広げられる行動が気になると、なかなかそこから視点を変えて「特性によるものかもしれない」「だから怒っているだけでは解決しないかもしれない」と考え方を変えていくことは非常に難しいと思います。
ですが、発達障害のお子さんにとって、失敗経験や苦手意識を幼児期に乗り越えていくことは、その後の成長に非常に大きな影響を与えていきます。
多動や衝動に関しては、声かけをすれば良いか・・・というよりも「なぜそのような行動になるのか」というところに目を向けることが大事です。
感覚情報の処理がうまくいかず、刺激を求めている時に「落ち着きなさい!」と言われてもそれは難しいことです。
そう言った時には、まずは感覚情報を満たすこと、ここならOKの場所を伝えてストレスを減らすことが大切となります。
対応方法一つでお子さんの受け取り方も変わっていきます。
一人で悩み過ぎる前に、相談をしながらお子さんの発達を支えていきましょう!