こどもの相談室TOMOでは
- 保育士:子どもの遊びのプロ
- 幼稚園教諭:幼児教育のプロ
- 認定ABAセラピスト:行動を増やすプロ
を持っている私たちが、お子さんの困った行動に悩む親御さんへ向けて、行動課題の解決策を提供しています。
今回は、私たちが支援・サポートをしている親御さんが気になりやすいIQについてまとめていきます。
IQってなに?
IQとはIntelligence Quotient 知能指数のことを指します。
では、知能とはなんでしょうか?
知能とは、学習で覚えた知識や学力ではなく、様々な状況や環境に合理的に対処していくための土台となる力のことを言います。
よく、知能が高い=頭がいいと表現されることがありますが、ここでいう知能は勉強ができることではないんですね。
知能の水準、発達の程度を測定した検査結果のことを知能指数と言います。
これがみなさんが気になるIQですね。
実は、この知能指数(IQ)を検査する方法にはいろいろな検査方法があります。
参考サイト 知能指数 / IQ | e-ヘルスネット(厚生労働省)
知能指数の検査方法
現在日本国内で用いられている主な知能検査の方法は5つあります。
- 田中ビネー知能検査Ⅴ
- WPPSI-Ⅲ知能検査
- WISC-Ⅳ知能診断検査
- WAIS-IV知能検査
- KABC-Ⅱ
それぞれの検査方法によって、知能指数の算出方法や検査の回数によって数値は若干変わります。
検査の方法は、年齢に応じて選択されます。
始めて知能検査を受ける時って、質問の言葉の意味がわからなかったり、その場の環境に慣れていない、不安が強くなってしまった場合は、検査がスムーズに受けることができないこともありますよね。
この検査の数字だけをみて、その子の能力を判断しても良いでしょうか?
もしかしたら、同じような検査を、繰り返し練習すれば知能検査の結果は高く出るかもしれません。
同じような道具を日々のおもちゃの中に取り入れることで、検査結果は高く出るかもしれません。
知能検査で明らかにできることは検査できることだけです。
知能検査では、知能の全てを明らかにすることができないのです。
では、なぜ知能検査をするのでしょうか?
知能検査を受ける理由
知能検査は、様々な項目に分かれています。
・言語理解(VCI)
・知覚推理(PRI)
・ワーキングメモリ(WMI)
・処理速度(PSI)
※WISCでわかる一例
知能検査では、このように項目に分けられている検査項目がランダムに提示されます。
そして、検査結果を表にまとめて評価を行っていきます。
こうして出てきた検査結果を元に、診断や児童発達支援(療育)に繋がっていきます。
参考サイト ウェクスラー式知能検査: 心理学用語集
知能検査の結果と診断
知能検査の結果から、つながる診断は知的障害(精神遅滞)です。
DSM-5では知的能力障害(知的発達症)とも記されています。
発達障害の診断ではないんですね。
つまり、発達障害と知的障害は同じものではないのです。
知的障害は知能検査の結果のみだけではないですが、知的機能や適応機能に基づき、診断されます。
この結果を元に診断されたことを証明するのが療育手帳になります。
その他にも、特別児童扶養手当や国税や地方税の減免税、公営住宅の優先入居やNHK受信料の免除、旅客運賃の割引などを受けることができます。
療育手帳では、障害の程度は重度(A)とそのほか(B)に分けられます。
重度では、日常生活に常時介護を必要とする程度のものとされており、知能指数が50以下と記されています。
ここで、障害の程度を判定するために始めて知能指数(IQ)が出てきました。
国としては、必要な支援を必要な方に届けるための判断基準として、知能指数(IQ)を使用しているんですね。
参考サイト 療育手帳制度の実施について(厚生労働省)
さいごに
いかがでしたでしょうか?
気になるIQ 知能指数について、理解は深まりましたでしょうか?
今気になっていることの中で、参考になれば幸いです。